調査報告について / REPORT
2023年8月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース
前回5月からの消費動向は、コロナ禍からの回復は一段と進んでおり、旅行など外出機会の増加が続き、夏場は連日の猛暑から盛夏商材の動きが活発だった他、インバウンドも円安効果を背景に引き続き好調に推移、着実に回復している。
アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.09と大幅に改善。
また、三ヶ月先の「業況判断DI」も-0.09となり、足元同様大幅に改善する結果となった。
こうした環境を背景に、販売動向に関しては、「やや悪い」「悪い」が18%、「どちらともいえない」が64%「やや良い」が18%、(良いは0%)となっており、中央値に集まる結果となっている。最大の懸案材料であったコスト上昇が引き続き高い水準ではあるものの、一旦落ち着きを見せていることが好感されていると思われる
また、仕入価格の上下を問う質問でも、27%の先で「上昇した」と回答しているものの、変化なしが73%と落ち着きがみられる。
前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、82%が「変化なし」と回答しており、前回から引き続き一定の値上げが浸透しつつあることが伺える。また、在庫水準の評価は55%が「適正」と答えており、前回に比べ若干ではあるが調整が進んでいる。
Q. 業況判断に関する質問
今回調査の業況判断は -0.09との結果。前回11月調査(-0.5)から大幅な改善となった。引き続き外出機会の増加やオケージョン需要、催事、イベントの復活など、コロナ禍で大きく減少していたものが目に見えて増加、インバウンドも円安効果で堅調に推移しており、改善の兆しが顕著。一方で物価高による節約志向の高まりから買い控え傾向は続いているものの、価格の上昇で増収効果もあるようだ。
*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。
この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、引き続き外出機会の増加やオケージョン需要から好調に推移、円安効果でインバウンドも好調を牽引しており、全体的に上昇基調、その他家庭用品分野も増加傾向となっている。
チェーンストア売上高は、節約志向の高まりから引き続き買い控え傾向にあり、食料品の苦戦が押し下げているものの、全体の店頭価格の上昇で全体でプラス、日用雑貨品も堅調に推移し、苦戦の続いていた家具インテリアも復調兆しが見られる。
▼全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移
|
前年同期比伸び率%、店舗数調整後 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
全国百貨店売上高合計 |
4.0 |
15.1 |
20.4 |
9.8 |
8.6 |
6.3 |
7.0 |
8.6 |
11.8 |
「その他家庭用品」分野 |
-5.1 |
3.7 |
12.3 |
-0.6 |
-0.8 |
-2.4 |
-3.4 |
5.3 |
4.7 |
全国チェーンストア売上高合計 |
2.7 |
1.3 |
-2.0 |
1.5 |
3.4 |
1.3 |
2.1 |
4.9 |
3.4 |
「住関品 日用雑貨品」分野 |
12.9 |
8.5 |
11.8 |
-0.1 |
4.9 |
3.1 |
4.3 |
0.4 |
4.9 |
家具インテリア」分野 |
2.9 |
5.9 |
-0.2 |
-0.9 |
-5.4 |
-5.2 |
-6.5 |
2.5 |
-1.1 |
(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による
3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.09と足元の判断( -0.09)と同じ結果となり、足元が大幅に改善しているものの、今後の期待値が足元と変わらないことは先行きの不安材料も無視できないことを物語っている。「どちらともいえない」に回答が集中しており、コメントからも為替、原油価格などが今後を大きく左右するとしており、また、止まらぬ物価上昇で消費マインドが低下し需要の低下を懸念する声もある。
Q.販売、仕入動向に関する質問
販売動向に関する状況をみると、「どちらともいえない」が46%、「良い」「やや良い」が27%「やや悪い」、「悪い」が27%であった。前回からは上下から「どちらともいえない」にシフトしている。イベントなどが開催されるようになり、別注関連は引き続き安定的に受注できているものの、定番品の動きは悪いとの声もあることから店頭の動きはやや弱含みの様相。
前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、前回とほぼ同じ内容で、27%が「上昇した」と回答。仕入価格の上昇は一旦落ち着きを見せているものの、このままさらに円安傾向が続くようでは、今後さらに仕入価格が上がるのでは、との懸念の声も聞こえる。
また、販売価格の変化を問う質問においては82%が「変化なし」と回答しており、値上げは一段落している模様。値上げは一巡したものの、さらなる仕入れ価格の上昇で再度値上げ交渉が必要になることも想定されることから、先行きが楽観できない一因かもしれない。
Q.在庫動向に関する質問
今回8月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は全体の45% と、前回5月調査 67%に比べ減少。足元の業況が以前に比べ安定しつつあることから在庫も調整が進んでいるものと思われ、過剰感が減少している。
以上
なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
info@osakatowel.jp