調査報告について / REPORT

2023年11月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース

 前回8月からの消費動向は、消費税増税前の駆け込み需要があった2019年対比には及ばないものの、2018年対比では増加に転じている向きもあることから、コロナ禍からの回復は一段と進んでおり、残暑が厳しいなかでも外出機会の増加が続き、インバウンドについても円安効果を背景に引き続き高い伸長を続けており回復基調が続いている。一方、節約志向の高まりから食料品を中心に買い控えも続いており、値上げによる店頭価格の上昇が売上を押し上げている側面も見られる。
 アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.27と悪化。
 また、三ヶ月先の「業況判断DI」も-0.27となり、足元同様、悪化する結果となった。
 こうした環境を背景に、販売動向に関しては、「やや悪い」「悪い」が27%、「どちらともいえない」が55%「やや良い」が18%となっており、依然、中央値に集まる傾向は強い。最大の懸案材料であったコスト上昇が一旦落ち着きを見せているが、不確定要素が多岐にわたることから判断しづらくなっているものと推察される。
 また、仕入価格の上下を問う質問では、18%の先で「上昇した」と回答しているものの、変化なしが82%と落ち着きがみられる。
 前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、91%が「変化なし」と回答しており、一定の値上げが一巡したのではないかと思われる。また、在庫水準の評価は55%が「過剰」と答えており、調整が進んでいたかと思われた前回から悪化、動きが悪くなっている傾向が見られる。


Q. 業況判断に関する質問
 今回調査の業況判断は -0.27との結果。前回11月調査(-0.09)から若干悪化となった。引き続き外出機会の増加やオケージョン需要、催事、イベントの復活など、コロナ禍で大きく減少していたものは順調。インバウンドも円安効果で堅調に推移しており、回復の兆しが見られるものの、物価高による節約志向による買い控え傾向は続いており、販売量が増えていないとの声も聞かれる。

*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。

 この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、引き続き外出機会の増加やオケージョン需要から好調に推移、円安効果でインバウンドも好調を牽引しており、全体的に前年プラスで推移している。
 チェーンストア売上高は、節約志向の高まりから引き続き買い控え傾向にあり、食料品の苦戦が押し下げているものの、全体の店頭価格の上昇で全体はプラス、日用雑貨品も堅調に推移し、苦戦の続いていた家具インテリアは復調兆しが見られるものの一進一退の様相。

全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移

前年同期比伸び率%、店舗数調整後 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
全国百貨店売上高合計 9.8 8.6 6.3 7.0 8.6 11.8 9.2 6.1 7.4
「その他家庭用品」分野 -0.6 -0.8 -2.4 -3.4 5.3 4.7 1.6 -0.4 2.8
全国チェーンストア売上高合計 1.5 3.4 1.3 2.1 4.9 3.4 2.8 3.3 3.7
「住関品 日用雑貨品」分野 -0.1 4.9 3.1 4.3 0.4 4.9 3.6 4.6 3.2
家具インテリア」分野 -0.9 -5.4 -5.2 -6.5 2.5 -1.1 -3.6 1.8 -0.1

(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による

 3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.27と足元の判断( -0.09)と同じ結果となり、足元の悪化がそのまま反映されることになり、現時点の不確定要素が引き続き解消されないのではないか、といった不安感があるのかもしれない。「どちらともいえない」から「やや悪い」にシフトしており、コメントからも不確定要素として経済政策、物価動向、為替変動リスクなどがあげられ、それぞれを注視している状況。また、物価上昇による買い控えで販売量が落ちており、さらなる消費マインドの低下を懸念する声もある。

業況判断DI


Q.販売、仕入動向に関する質問
 販売動向に関する状況をみると、「どちらともいえない」が55%、「やや良い」が18%「やや悪い」、「悪い」が27%であった。前回とほぼ同じ内容。イベントなどが開催されるようになり、別注関連は引き続き堅調だが、小売店の動きはいまひとつ、との声もあることから実需は弱含みか。
 前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、「変化なし」が増え、「上昇した」が18%に下がり、仕入価格の上昇は一旦落ち着いているように思える。ただ、このままさらに円安傾向が続くようでは、今後さらに仕入価格が上がるのでは、との懸念の声も聞かれる。
 また、販売価格の変化を問う質問においては82%が「変化なし」と回答しており、前回同様値上げは一段落している模様。ただ、円ドルの平均レートも昨年から比べると10円程度円安になっており、今の円安が続くと収益がさらに厳しくなる、との声も聞かれる。

Q.在庫動向に関する質問
 今回11月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は全体の55% と、前回8月調査 45%に比べ増加。販売量の落ち込みを指摘する声も聞かれることから、在庫が膨らんでいることが考えられる。
以上

なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
info@osakatowel.jp

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